ハムスの部屋

研究職のハムスターが調べたり体験したことを記録していきます。

コロナショック前の景気後退シグナルを振り返る【答え合わせ】

各国の金融政策にも関わらず、株価はあまり反応を見せませんね。
先物の動きを見ていると本日のNY市場も大きく下げそうな雰囲気を感じます。

 

コロナ流行は予測困難かと思いますが、暴落のきっかけにすぎないという説があります。
この大幅下落を予見する先行シグナルについて後学のために調べてみました。

 

景気後退の先行指標については色々な考察がなされていますが、代表的なものとして逆イールドの発生が挙げられます。

逆イールドとはどのようなものか、そしてなぜ景気後退の先行指標とされているかを説明します。

 

逆イールドとは何か?

逆イールド状態とは、3ヶ月(短期)米国債利回りが10年(長期)米国債利回りより高くなる状態を指します。

通常ならば、長期金利の方が資金の固定期間が長いので高金利になりますよね。

この現象は滅多に起こらず、最も最近だと2019年に逆イールド状態となりました。これは2007年(リーマンショック前年)以来、12年ぶりの現象です。

 

なぜ逆イールドが景気後退シグナルなのか?

米国では、上に書いた長短期の国債利回り差が景気の先行指標とされてきました。

これは、金融政策や投資家心理を表すためとされているためです。

 

さて、逆イールドが景気後退に先行するとされる理由は以下の3つが考えられます。

 

(1) 金融政策の引き締めを反映している

  →政策金利が高くなると、その影響を受けやすい短期金利が上昇幅が大きくなる。金融政策の引き締めは金融環境のタイト化に繋がり、これによって企業や家計が支出を抑制する可能性がある。

 

(2) 投資家の景気後退予想を反映している

  →投資家が将来の景気後退を予想すれば、中長期的な利下げが折り込まれて長期国債が買われて金利は低下する。こうした環境では投資家のリスク許容度が低下し、金融環境のタイト化につながる。

 

(3) 企業や家計の景気に対する懸念を強める

  →逆イールドが景気後退前に発生してきたという経験則があるため、景気悪化に対する懸念を強める。それによって投資や雇用、消費が抑えられる可能性がある。

 

本当に逆イールドは景気後退の先行指標になるのか?

 

上記のような懸念が発生するのは伝わったのではないでしょうか。

では、実際にこれまでは逆イールドが発生したらどのくらい景気後退が起こったのかを確認してみましょう。

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出典:日興アセットマネジメント

実際に、ここ100年で見てもイールドカーブの逆転(逆イールド)が起こってから1年程度の間に高い確率で景気後退が起こっていることがわかるかと思います。

あのリーマンショックの前年にも逆イールドが起こっていますね。

 

 

いかがでしたでしょうか。

思い返すと少し前に逆イールドになったと一部で話題になっていた気がします。

他にも予兆はどこかに出ていたかもしれませんね。

特殊な相場に立ち会えているので、今後に生かせるようにしたいところです。